多重の私

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選択肢!恐ろしい言葉。例えば道を歩いていて交差点に来る。信号が点滅し、横断歩道を渡るか待つか微妙だ。すると二人の私が現れる。一人はGO、もう一人はSTOPと言う。妄想ではない。私の脳内に本当に二人の私が言い争うのだ。立ち止まれば、STOPと言った私の勝ち。さっさと横断すればGOの私の勝ち。勝負がついたら二人はさっと姿を消す。その度に私の脳は疲れる。だから選択肢には出会いたくない。
先日、街を歩いていたら素敵な女性がやってくる。ファッショナブルでいい感じ。私の脳内にまず二人「声をかけろ」「やめろ」。私は立ち止まって女性に声をかける。前者の勝ち。彼女は何?と変な顔で私を見る。すると私の脳内に「お茶に誘え」「笑って」「まずは挨拶」「いきなり手を握れ」「・・」と次々に五、六人の私が激しく議論する。どの私が勝つのか迷う間に女性は無視して行ってしまう。私は一人で歩道に立ち尽くす。だから嫌だ。多重の私!
その他
公開:25/04/03 17:44

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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